「せらせらぴー秋。ダリアの花園」
写真と文山本まりこ
■世羅高原農場の秋
あの国、あの場所、あの光。
人生において何度も訪れたい所、誰にでもそんな場所がいくつかあると思う。
きっと、今、ふわふわふわと頭に浮かんだあの場所が、きっとあなたのその場所なのかも知れません。
私にとって世羅高原農場は、何度も訪れたい、大切な場所。
今までも、これからも、訪れたい場所として心の中にあります。
私が世羅高原農場と出会ってから、約10年。
お花の美しさ、そして人々の優しさに惚れて何度も通い、春、夏、秋、冬。
数万回、数十万回とシャッターを切りました。
そんな世羅高原農場との出会いと思いは、「せらせらぴー。春」にも綴っています。
せらせらぴー。春|写真と文山本まりこ|寄稿文|世羅高原農場45周年アニバーサリー
いろいろな季節があるけれど、私は、秋の世羅高原農場が好き。
だって、私の一番好きなお花は、ダリアだから。
ダリアが好き。
■ダリアのこと
世羅高原農場の秋、そこには、見渡す限り溢れんばかりのダリアが咲いているダリアの花園があります。
ダリア
ダリア
ダリア
見渡す限り、ダリア。
ピンク、オレンジ、赤、紫、白、黄色、黄緑、クリーム色、いろんな色のダリア。
人間の顔くらいの大きなダリア、マシュマロくらいの小さなダリア。
ポコポコとまあるいダリア、平べったいダリア。
背が高いダリア、背の低いダリア。
あっちにこっちにそっちに、色とりどり、様々な大きさや形のダリアが咲いています。
フォトセミナーなどで、初めて訪れた生徒さんを見ていると、その美しさに心が舞い上がってしまい、どこをどう撮ったらいいのか分からないと興奮している姿をよく見かけます。
分かります。
だって、こんな美しい景色が目の前に広がっているのだから。
あっちもこっちも、ダリア。
ドキドキしてどう撮ったらいいのか分からない。
そんな時は、まず深呼吸をして、撮影を始めましょう。
そして、いろいろ撮影したら、自分が好きなダリアを探してみることをおススメします。
広~いお花畑をぐるっと一周して、いろいろ見て、自分の「好き」を探すこと。
そして、そのダリアを美しく撮ること。
自分好みの大きさや色や形のダリアを探して歩いていると、ふと気づくと1時間経っていた、なんてことは私はもう何度も。
ちなみに。
私が最近一番好きなのは、ピンク色の大きな大きなダリア。
ああなんて美しいのでしょう。
私は、ダリアを近くで見ていると、じいいいーっと見入ってしまいます。
どうしてこんなに美しいカーブを描いた花びらの形になったんだろう
とか、
なんでこう美しい色で生まれてきたのでしょう
とか、
こんな美しい造形美をダリアというお花に詰めてくれて神様ありがとう
とか、
こんなに美しいダリアを撮影させていただきありがとうございます世羅高原農場さん
とか。
そんなことを思いながらシャッターを切っています。
だって、本当に、美しい。
今年の秋は、9月14日(土)から11月4日(月)の間、550品種7,500株のダリアと、30品種13,000株のガーデンマムが世羅高原農場を彩るのだそうです。
■秋のお花たち
世羅高原農場の秋は、コスモスやガーデンマムなどたくさんのお花たちも咲いています。
遠くから見ると、ポコポコとまあるい半球の形をしたガーデンマム。
近くで見ると、小さな可愛らしいお花がみっしりと咲いています。
遠くから見るのと近くで見るのとでは、全く印象が違うお花。
■世羅のごはん
世羅高原農場に来たらこれを食べずには帰れない、大人気の「農場バーガー」。
世羅高原農場では、世羅町の食と農を盛り上げる取り組みとして「せらバーガープロジェクト」が行われていて、世羅町の食材をメインとしたハンバーガーが提供されています。毎年改良を重ね、今年7代目になる「農場バーガー」。
世羅の広い空の下、緑に囲まれて食べる「農場バーガー」の美味しさよ。
今年の農場バーガーはどんな風に変わったのかな、なんてワクワクしながらいただくのも毎年の楽しみの一つなのです。
ちなみに、私は初代から約9年、「農場バーガー」を食べ続けています。あ、ソースが濃くなったとか、パテがさらに肉肉しくなって美味しいなあとか、そんな変化を楽しみにしています。どんどんと進化してさらに美味しくなり続けている農場バーガー。この先もずっと楽しみにしていますね。
そして。
世羅高原農場を訪れたら、こちらにも足を延ばしてほしいところ。「雪月風花 福智院」さん。
世羅町の史跡 今高野山の参道にある、江戸時代に建てられた宿坊を修繕した日本茶カフェです。広島在来茶をはじめ地域の食材を使った甘味や精進料理などを提供されています。
9月中の開催時に訪れれば、大人気の「氷り」がいただけます。
ふわふわトロリ。
世羅や広島で採れたフルーツや世羅のお茶などのソースが、これまたとっても美味しいのです。2杯でも3杯でも食べたい、そんな「氷り」です。
■ローズのこと
秋の世羅高原農場に訪れたら、ちょっと足をのばして『「そらの花畑 世羅高原花の森」秋ローズと花のガーデン薫り高きイングリッシュローズの森』へ。イングリッシュローズや宿根(しゅっこん)草(そう)が、高原の風に吹かれて可愛らしく揺れています。
雨上がりの日は特におすすめ。
雨が蒸発するときにイングリッシュローズの香りも一緒に沸き立つように高原を包み込みます。一息吸うごとに、ローズが体にすうううと入っていく。すうううう。ああ、あまりにもいい香り。ラグジュアリーなその香りをもっと嗅ぎたくて、体の中に入れたくて、鼻の穴を大きく広げて深呼吸してしまう。すうううう、すうううう。ローズの香りの中にいる、もうそれだけで幸せ、そんな気分になるのです。
もちろん、今までいろいろなローズガーデンを訪れたことがあります。
でも。
雨上がりに訪れた「そらの花畑
世羅高原花の森」のローズガーデンの香りがあまりにも気持ち良くて。「この気持ち良さを家に持って帰りたい!」と、売店でローズの香りのエッセンスを購入し、毎日のバスタイムで「そらの花畑
世羅高原花の森」のローズガーデンの麗しい時間を思い出してうっとりとしています。
ローズは美しい。
そう思ってずっと生きて来たけれど、雨上がりの「そらの花畑
世羅高原花の森」のローズガーデンのあの香りを体験してから、ローズというお花がさらに美しく、そして、ローズというお花にぐぐぐぐっと興味が湧いてしまったのです。
今年2024年の会期は、9月14(土)から11月4日(月)まで。ダリアの会期と一緒ですね。途中、10月28日~11月1日の5日間、メンテナンスのため閉園されるそうです。
■せらせらぴー
美しいお花に囲まれ
美味しいご飯をいただき
優しい人々とお話し
いつの間にか笑顔になっている、世羅高原の旅。それは、大きな優しさに包まれているように気持ち良くて、まるでセラピーを受けているよう、そんな風に思うのです。
だから、私は、世羅で過ごす気持ち良さを「せらせらぴー」と呼んでいます。
世羅高原農場のダリアの花園を見たくて、出会ってから毎年のように通っています。
毎年、飽きもせずに、関東から飛行機に乗って何時間もかけて通っています。
だって、強く強く惹かれてしまうから。
だって、世羅高原農場のダリアが好きだから。
さあ。
今年もダリアに会いに行きましょうか。
せらせらぴー。
山本まりこ
写真家。スパイスフーズ作家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つairy(エアリー)をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。撮影、執筆、講演、講師など活動は多岐。写真集「ARIY
COLORS」「熊野古道を歩いています。」、著書「エアリーフォトの撮り方レシピ」など11冊出版。写真とスパイス料理の教室Room5656主宰、写真とスパイスカレーの空間PEANUTSuu(ピーナッツぅ)をOPEN。好きな食べ物は、カレーとイカ。
- HP:YAMAMOTO OFFICIAL WEBSITE
- Instagram:https://www.instagram.com/yamamarimo/
- Room5656:https://www.instagram.com/room5656_/
- PEANUTSuu https://www.instagram.com/peanutsuu_/